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自転車TIPS

TPIとコンパウンド。これを知っておくとタイヤ選びが捗りますよ

2015年07月30日 投稿者:いね

自転車のパーツの中でも走りに大きい影響を及ぼすタイヤ。みなさんは何を基準に選ばれてますか?無数にあるタイヤの中から、自分の理想にあったタイヤを選ぶのはなかなか困難な作業です。それに、ロードバイクやMTBのものとなると単価が高いですから、余計に慎重になっちゃいますよね。ウェブで検索すれば、たくさんの方のインプレやおすすめ記事が見つかります。そこから、希望にあったタイヤを選ぶのもいいですが、自分の目で見極めたいという方も中にはいると思います。そんな時に覚えておくと役に立つ2つの知識を紹介します。

TPI

TPIとは、タイヤのケーシング(繊維)の量です。タイヤなのに繊維?と思われる方もいるかもしれませんので、簡単に構造を説明しますね。

タイヤ断面図

タイヤの断面図です。正面から見るとオメガ(Ω)の形状をしてますね。一番シンプルなタイヤは、上記の様に

  1. トレッド → タイヤの一番外側のゴム。路面に直接触れる部分。
  2. ビード →  ホイールにはめ込んだときに、外れないようにするためのストッパー。
  3. ケーシング → タイヤの一番内側のぷつぷつしている部分。繊維が束ねられていて、タイヤの形状を保っている骨格的存在。

の3つで構成されています。TPIとは、ケーシングが1インチあたりに何本あるかということです。この数値が高い(繊維の本数が多い)と一般的には質のいいタイヤということになり、値段も高くなります。市販されているタイヤを見てみると低いもので20TPI、高いものだと330TPIとけっこうレンジがあることが分かります。

TPIの違い1

では、このTPIが走行にどのような影響を与えるのか。一般的にはTPI値が高くなればなるほど、しなやか且つ軽量になり、転がり抵抗は少なくなりますが、その分耐久性は低くなります。なので、なんでもTPIが高ければいいかというそうでもなく、耐久性との兼ね合いになりますので、バランスが大事です。タイヤメーカーのvittoriaによれば「耐久性、転がり抵抗、グリップ力、乗り心地」において一番バランスのとれてるのは150TPI前後のものと公表してます。これはあくまでもvittoria製品においての話ですので、参考程度になりますが。個人的には、レース用→「TPIが高いタイヤ」、普段用→「耐久性に優れるTPIが低いタイヤ」と使い分けるのがおすすめです。

ちなみに、ロード定番タイヤのTPIがどうなってるかみてみましょう。

・ミシュラン PRO4 SC →  110TPI
・コンチネンタル GP4000S2 → 330TPI

上記の2つ使用した方なら、おやっ、と思われる方もいるでしょう。数字上ではコンチネンタルの方がTPI値が高いので、乗り心地はいいはずです。しかし実際乗ってみると逆なんです。低TPIのPro4が乗り心地に優れ、高TPIのコンチネンタルはとても硬く感じられます。

 

■TPI
ミシュラン PRO4 SC(110TPI) < コンチネンタル GP4000S2(330TPI)

■実際の乗り心地
ミシュラン PRO4 SC(110TPI) > コンチネンタル GP4000S2(330TPI)

 

何故、このような逆転現象が起こるのか?それはタイヤのコンパウンドと呼ばれる要素が走りに大きな影響をあたえてるからで、TPIだけじゃ、タイヤのスペックを図る絶対的指標にはならないんです。次は、そのコンパウンドとはなにか?です。

コンパウンド

コンパウンドとは、タイヤのトレッド部分のゴム素材のことを指します。ざっくり言うと、このコンパウンド(素材)が「硬いのか柔らかいか」で、タイヤの性質が大きく異なってきます。一般的にゴムが固いと変形しづらいので、転がり抵抗は低くなり、耐摩耗性は高くなります。反対に柔らかいゴムというのはグリップ力と乗り心地に特化してると言えるでしょう。 ちなみに、先ほど例に挙げたミシュランのPro4は、コンパウンドが柔らかいので、TPI値が低くてもモチモチとしっとりした乗り心地を具現できてるのです。逆にコンチネンタルのGP4000S2は硬いコンパウンドを採用しているので乗り心地も固めになってます。(他にも要因はありますが)
各社で様々な独自コンパウンドを開発してるので、メーカー間で共通のコンパウンドがある、というわけではありません。タイヤメーカーのマキシスを例に実際どんなコンパウンドがあるか見てみましょう。数値が低いほどソフトになります。

70A
XCタイヤ(MTB)に採用されるコンパウンドです。転がり抵抗が少なく、耐摩耗性に優れたコンパウンドです。

62A
ロードタイヤと一部のマウンテンバイクタイヤに使用されているコンパウンドで、優れたトラクション特性を持っています。グリップと転がり抵抗という相反する2つの要素を高い次元で両立させたコンパウンドです。

60A
62Aよりもグリップに重点を置いたコンパウンドです。タイヤの耐摩耗性を維持しつつ、限界までグリップ力を高めたコンパウンドになります。

コンパウンドの固さによって、特性が異なるのが見て取れます。
これらはシングルコンパウンドと呼ばれるもので、一つのコンパウンドでタイヤが作られてます。上位モデルには、デュアルもしくはトリプルコンパウンドと呼ばれるセンター(直進時、路面に面する部分)とショルダー(コーナリング時、路面に面する部分)で異なったコンパウンドを採用しているものもあります。

上記はMTBタイヤですが、ロードバイクでも要領は同じです。センター部分は固めのコンパウンドで転がり抵抗を軽減して、コーナーリングは柔らかいコンパウンドでグリップ力を確保しようということです。

ロングライドは乗り心地を重視した柔らかめのコンパウンド、レースやヒルクライムなどスピードを求める場合は固めのコンパウンドといった様に走る状況に合わせてタイヤを選ぶのがおすすめですが、スピードも乗り心地もグリップも犠牲にしたくないという方は、オールマイティに使えるデュアルコンパウンドのタイヤをチョイスするのがいいかもしれません。

さいごに

メーカーによってはTPIやコンパウンド自体公表してないところもありますし、最近はタイヤの構造が複雑になってきて、TPIやコンパウンドだけでは性能を推測することが難しくなってきてるのも事実です。ただ、タイヤの特性を知る一つのものさしになるとは思いますので、今まで気にされてなかった方は注意して見てみるといいかもしれませんよ。

Text by いね

 


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