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自転車TIPS

自転車ライト入門

2016年10月27日 投稿者:いね

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自転車のライトと一口に言っても明るさ、照射角度、防水性などモノによって様々です。パッケージを手にとって150ルーメン(明るさの単位)という数字が目に入ってきても、初心者の方だとイメージできないというのが現実だと思います。先日、お客様からライトについて根掘り葉掘り聞かれたのでその時説明したことや、記事を書くにあたって自転車ライトの法規制などを調べていて「なるほどなぁ」と知見が足りない部分も多々あったのでその辺も含めてみなさんとシェアできたらと思います。

まず、ライトの話に入る前に「なぜ(ヘッド)ライトが必要なの?」という根本的なところから。そんなの口に出すまでもないと思われているでしょうが念のため、です。ライトには二つの役割があります。

・自分の存在を認知してもらうため(被視認性の確保)
・路面を照らすため(視認性の確保)

前者は車や歩行者などに存在をアピールし、事故の回避行動を促すため。この場合は光量が少ないライトでも大抵は事足ります。
後者は、夜間の路面の状況を的確に把握して安全な走行をするためです。明かりが多い街中では暗いライトでも段差や縁石などの障害物を視認し回避しながら走行することが可能ですが、田舎道や峠道ではそうはいきません。暗いライトを使っていて、ふいに現れた段差や石ころに体が反応しきれず、ヒヤッとした経験をお持ちの方もいるんじゃないでしょうか。車のヘッドライト程ではないにしろ、それ相応のライトが必要です。スピードが出るロードバイクの場合は尚更ですね。

テールライトは必要なのか?

自転車 対 自動車の事故で一番多いのは出会い頭の衝突で70%を占めています。では次に多い事故が何かご存じですか?

それは追突事故。全体の1割ほどを占めています。更に統計を見てみると他の事故と比べて致死率が一番高いんですね。約5%。低いようにも見えますが、他の事故と比べると10倍という極めて高い数値を示しています。
おそらく前方を走っている自転車に気付かず、減速しないままドーンというケースが多いのでしょう。テールライトをつければこのような最悪の事故を未然に防ぐことが可能。車を運転する方ならお分かりかと思いますが、反射板よりも視認性が格段に上がります。 夜間走行する場合、特に車と並走するようなシチュエーションの場合は必ず付けるようにしましょう。

最近は夜間だけでなく、日中もライトをつけて安全性を高めようと動きが目立っています。日中、夜間問わず常時点灯するライトを搭載したシティ車なども販売されるようになってきましたしね。

法的にもライトは必要!

道交法、道路交通法施行令にはこのように記されています。

道交法 第五十二条
車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする

道路交通法施行令 第十八条
車両等は、法第五十二条第一項 前段の規定により、夜間、道路を通行するときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める灯火をつけなければならない。
五  軽車両 公安委員会が定める灯火

では「その公安委員会が定める灯火」とは何なのか?例えば東京都の場合道路交通規則にはこのように記されています。

東京都道路交通規則 第9条 軽車両がつけなければならない灯火は、次に掲げるものとする。
(1) 白色又は淡黄色で、夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照灯
(2) 赤色で、夜間、後方100メートルの距離から点灯を確認することができる光度を有する尾灯

岩手県の場合もほぼ同じですね。岩手県警に確認したところ、東京都と要件は同じでした。まとめるとこんな感じ。

 光度
フロントライト白色・淡黄色10m(障害物を視認できる距離)
テールライト赤色・橙色100m(離れた位置から視認できる距離)

県や市によって前照灯の光度は50mでいいとか多少の違いはあるものの上記を満たしていれば問題ないでしょう。

どんなライトを選んだらいいのか?

法的にも安全確保のためにもライトは必要ということが分かりました。ではどんなライトを選んだらいいのか。パッケージには明るさの指標となる数値が記載されています。それを目安にすればいいのですが、これがなかなか難しい。というのも明るさの単位がメーカーによってバラつきがあるんです。最近ではルーメンという単位に落ち着きつありますが、それでもまだ他の単位も使われているのが現状です。そこで、少し混乱するかもしれませんがライトの単位についておさらいしておきましょう。

ルーメン・カンデラ・ルクス

定義はこうなっています。
・ルーメンとはラテン語で「昼光」。光源から放たれる「光束」の量を表す単位です。最近ではこの単位が主流になってきてますね。
・カンデラはラテン語で「ろうそく」。光源から出る特定の方向の光の強さ「光度」を表しています。数は少ないですが、この単位を使っているメーカーもちらほら。JISの評価基準にもこのカンデラが採用されいてます。
・ルクスとはラテン語で「光」。対象物がどれだけの明るさで照らされているのかを「照度」を表します。自転車のライトでは使われないでしょうか。照明ではよく使われる単位のようです。定番なので一応のせておきますが、スルーしていただいて構いません。

言葉では理解しづらいと思うので図ものせておきます。

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ルーメン

光源、この場合ライトから放たれる光の総量のこと。これは何となくイメージしやすいと思います。

ルクス

ルクスは、照らされた場所の明るさです。人間の目が感じる明るさを数値に変換したと思っていただくといいかも。懐中電灯に目を近づければ眩しく、離れれば暗く見えますよね。同じ光源でも計測距離によって値が変わるので自転車ライトの指標としては適しておらず、ほとんど使われていませんね。

カンデラ

さいごにカンデラ。これは光源から放たれる単位立体角あたりの光の量(強さ)。これは距離によって数値が変わりません。図のAでもBでもカンデラ値は一緒です。計測環境に左右されないため、数は少ないですがこのカンデラを採用しているライトもまだまだあります。

勘のいい方はお気づきだと思いますが、ルーメンにしろカンデラにしろそれ単体では照射範囲がわからないんです。例えば300ルーメンと謳っているライトがあったとして、下のように角度が広ければ、スピードが出るロードバイクではあまり実用的ではありません逆に絞りすぎてても然り。カンデラも同じことです。

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じゃあ照射角度とルーメン or カンデラで判断すればいいのね♪ということなんですが照射角度がパッケージに記載されていることはほとんどありません。じゃあ何を指標に選べばいいんだよ!言いたいことは分かります。
基本はルーメンを基準に選んで下さい。というのも、自転車のライトの照射角度はメーカー間で大きく異なることはなく概ね25度前後で設定されているからです。使用環境に応じて以下のルーメン値を参考にしていただければ、求めている明るさと大きなズレはないかなと思います。

街灯バリバリの市街地オンリーの方は→15~100ルーメン
郊外も走るという方は→100〜350ルーメン
田舎道や峠道もガッツリ走る方は→350〜900ルーメン

参考までに車のヘッドライトはハロゲンだと1000〜1500lm、LEDやHIDだと3000lmほどだそうです。

駆動時間やバッテリータイプも確認しておこう

現在市販されているライトには電池タイプとバッテリータイプの2種類に大別されます。それぞれ特性はあるもの大きな特徴としては、

  • 電池タイプ→駆動時間が長い、明るさはそこそこ、ランニングコストがかかる
  • バッテリータイプ→とても明るい、駆動時間が短い、充電して繰り返し使える、USB給電

最近はもっぱらバッテリーが主流ですが、乾電池でもエネループなどを使えば繰り返し使えますし、電池が途中でなくなってしまってもコンビニなどで入手出来るというメリットもあります。

もう1つライトを選ぶ基準になるのが、駆動時間です。明るいのはいいんだけど電池がすぐになくなってしまっては元も子もないです。このランタイムについては下のような感じでパッケージに記載されていますので必ず確認しておきましょう。

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ざっくりですが、相場としては点灯モード(High)だと乾電池タイプだと20時間前後、バッテリータイプだと2時間前後が多いように思います。

さいごに

秋も深まり日が短くなるのも早くなってきました。自分の用途に最適なライトを使用し、早めの点灯を心懸けていきましょう。安全第一!


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