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よみもの

2017、パン活。

投稿日:2017年06月18日

投稿者:いね

菜の花27
この世からパンが無くなれば私は消滅する。生きていくうえで不可欠な道楽は各人何個かはお持ちだろうと思うけど、私の場合は(仕事を除いたとして)該当するものと言えばパンとコーヒーなのである。

この二つは最高の組み合わせだ。ピタゴラスの定理とかフレミンゴの法則みたいに数式で証明されたものではなく、絶対ではないのだけれど、大体の人が2つのキーワードを思い描いて、その関係性についてものの数秒イメージを膨らませれば、ストンとその素晴らしい関係について理解していただけると思う。実際わたしの周りの多くの人はパンをこよなく愛しているし、コーヒーも大の好物である。

そしてこれに自転車というプラスアルファを加えると「パン活」という一つのアクティビティへと昇華する。

ペダルをのらりくらりと回しながら、自由気ままに麦の香りがする方へ自転車をくゆらせ、パンを食べ歩くのである。このパン活を推し進めんとパン職人のM氏と定期的に活動していたのだけれど、ここのところ消極的になっていた。
というのも、最近はそのパン活自体が目的になってしまい、パン欲とコーヒー欲をみたすという本来の目的が疎かになってしまっていたのである。企画映えするということで、1日で4件〜5件ほどのパン屋さんをめぐっていたのだけれど終盤になると胃がアップアップ、ついでに足もパンプアップ。
このきつさは少し違うだろうと、今一度初心にもどって、お店を厳選していこうという事になったのが今回のパン活のテーマである。

盛岡近郊にも続々お店オープンしているよねーっていう話から、新規のお店に絞っていきましょーということになりました。

  • KITA COFFEE STAND(盛岡市材木町)
  • THE BAKER(紫波町紫波中央駅前)

いずれも知人の評価はけっこう高くて前日から武者震い。地図はこちら。実際走ったルートも載せまてますが、路面が悪いところも多くて、もうちょっと煮詰めるが必要がありそうです。

1. KITA COFFEE STAND

IMG_20170612_104248昨年にオープンした ばかりお店。厳密にはパン屋さんではなく、カフェなのだけれどサンドイッチも販売している。日替わりなので曜日によってはないこともあるけれど。

大きな看板などはなく、見た目はいたって簡素な佇まい。ガラス越しの店内の様子がわかるのでとっても入りやすい。最近のお洒落なカフェは内装も外観もひどく凝っていて、入るのに一握りの勇気が必要なのだけれど、このお店は敷居が低い。ちょっとゆるい雰囲気が漂っていて肩肘張らずに入れる。

お店はご夫婦でやっていて、どちらも自転車のり。当日はオーナーさんのご自慢のマシンがお店の前に止まっていました。

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足を踏み入れると昭和のレトロな雰囲気が心にしみわたる。統一感がないようであるような雑多な作りなのだけれど、すごく心の納まりがいいというか、おばあちゃん家にきたみたいで、懐かしい気分に浸れること間違いないお店。店内で撮った写真が無加工なのにセピアフィルターをかけて見える、それくらいのセピア力。

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カウンターにはお手製スイーツが並ぶ。チョコチップクッキーとかガトーショコラなど定番メニューはいくつかあるらしいけど、多くが日替わりのお菓子だそう。まずはパッケージのUNIシールにズキューン♥
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水出しアイスコーヒーとチョコバナナ、ブラウニーをチョイス。M氏はアイスコーヒーとバターサンドクッキー、サンドイッチ。

絶賛ブラウニーブーム到来中なので、まずはブラウニー(画像中央)から、こいつは3つの波で構成されます。

第一波は噛んだ瞬間に感じるしとしとの波。歯に吸い付くようなしとっとした食感はくせになる。第二波はチョコが想像以上の密度。一瞬でお口の中が幸せになるちょこちょこの波です。第三波はオレンジコンポーネントが醸す柑橘の波。控え目に香るオレンジがさわやかさを演出。という感じでとっても美味しい。

次はチョコバナナ(画像左)。会心の出来ということでチョイスしたのだけれど、これも美味。私なんかは舌が大体馬鹿なので何を食べても美味しいって言うのだけれど、本当に美味しかった。バナナがしつこくないギリギリのところセーブされていて、要所要所でチョコがパンチしてくる感じ。生地がしっとりしていて、これまた私の好み。

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何度か来ているというM氏はお気に入りのバターサンドクッキー。しとしと系だけでなくサクサク系もかなりクオリティで、ファンも多いんだとか。

コーヒーもいただきました。ナガサワコーヒーの浅煎り豆を使用していてあっさり目。水入りコーヒーはちょっとマイルドな感じ。普通のアイスコーヒーは香ばしくて味に少しキレがある感じ。どちらも喉越しがよく、これからの夏場にはぴったりかも。

そしてさいごはサンドイッチ。一応パン活ですからね!

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自家製ブレンドの小麦で作られたバンズはもっちり。歯切れもよくて香りもいい。サンドされるのはケールの葉とハムとマヨネーズ。秘伝のソースに幾晩もつけこまれたらしいハムはハーブが香りジューシー。ケールも全然苦くなく歯ごたえを良くしてくれてる。マヨネーズの味が控えめなのも主役をしっかり引き立てている。具材を絞っているだけにそれぞれの完成度が高く、相性も抜群だ。

店内の雰囲気がゆるく、時間がゆっくり流れる感覚をもっている稀有なカフェ。食べ物も全てのメニューにおいてクオリティが高く、ハマる人はどっぷりハマりそうな中毒性のある不思議なお店。まだの方はぜひ行かれたし。

KITA COFFEE STAND

営業時間:7:30〜17:00
食べたモノ

  • 水出しアイスコーヒー 400円
  • アイスコーヒー 500円
  • ブラウニー 220円
  • サンドイッチ 500円
  • バナナチョコ 280円
  • バターサンドクッキー 200円

閑話休題

予報ではくもりだったけれど合間合間に晴れ間も見えてまあまあの自転車日和。これから向かうはオガールにあるThe Baker。
寄り道せずにいく予定だったものの、何かの縁で麦畑にエンカウント。これは無視したら罰が当たるだろうし、気持ちも荒ぶってたしで緊急撮影会。位置を変え姿勢をかえ、次々にポーズを決めていくモデルさながらのM氏。
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bread_act_201721麦に囲まれご満悦のM氏。

2. The Baker

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紫波の複合施設オガール内にある今年3月にオープンしたばかりのお店。外観も内側もともかく絵になるお洒落なパン屋。コンクリートの無機質感と黒基調の内装はシックで落ち着きがある。勉強になりますな。中にはイートインスペースがあって、オープンな厨房を見渡せるので、なかなか退屈しない。さらに面白いのはスノーピークのコンセプトショップとフロアがつながっていること。この辺はモールならではですな。

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全部美味しそうで目移りしてしまうのだれど、下のを頼りに選ぶ。
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主体性なしのランク信者の私はハチミツオレンジとカレーパン、M氏はアスパラベーコンのエピ、それからCFC(カシューナッツ・いちじく・チョコ)と持ち帰り用にバゲットを一本ゲット。

お昼時で店内もかなりざわついていたので、テラスで食べることに。
オガールはゆったりくつろげるガーデンテラスが施設内に点在していて、居心地ばつぐん。しかも手入れが行き届いているのがさらに好印象。月イチくらいで来ようかしら。

さてさて、肝心のパンである。というところで、雨がパラパラと降ってきたので、屋根付きのテラスへ移動。

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まずはハチミツオレンジ。もちもちのセミハード系パン。外皮は適度にうすくカリッとしていて歯切れがいい。生地にハチミツが練り込まれていて甘さがほのかに広がる。オレンジのピールが入っていてさわやかを全面に主張してくる感じ。私はハチミツだけの方がすきかも。

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アスパラベーコンのエピ。少し想像つきにくい味だったのだけれどナイスな組み合わせ。特にアスパラがジューシーで食べごたえあり。粉チーズと黒胡椒のパンチもきいていてお酒のつまみにもいいかも。

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グリル野菜のカレーパン。人気No.1というだけあって非常にわかりやすい美味しさ。もちろん外はサクサク。中は歯ごたえが適度にありつつもソフト。ルーの方はというと辛さは控えめ。癖がなくとろみ多めで間違いない味で生地との相性も抜群だ。

余談だが写真のようにメニューカードには原料表記があってアレルギー持ちに対する配慮もきっちりしています。

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さいごにCFC。カシュー・フィグ(イチジク)・チョコのバゲット。皮が香ばしく、バリバリ感も程よい具合にコントロールされている。チョコもふんだんに使われていて、一口で相当量のチョコが入ってくる感じ。うまうま。カシューナッツで食感にアクセントも加えられている。さらに追い打ちをかけるように、いちじくの甘みと酸味が複雑なテイストに仕上げ、味に奥行きを出している。なかなか深みのあるパンであった。

The Baker

・営業時間:7:00~19:00
・食べたモノ

  • グリル野菜のカレーパン 240円
  • CFC 280円
  • アスパラベーコンのエピ 250円
  • ハチミツオレンジ 200円

と一通り食べ終わった頃には雨もあがり、光も差し込んできた。問題はバゲットの持ち帰り方法である。サドルバッグもリュックもないのだから選択肢は一つしか無い。bread_act_20178
こうならざるをえない。幸い中にはビニール袋が同梱されていたので、背中の汗はなんとかなりそうだ。というか、その辺の確認なしにバゲットを買っちゃうM氏には恐れ入るばかりである。

閑話休題2

パン屋さんの隣に「Knotty」というアウトドアショップがあったのでちょっと寄ってみることに。ここのお店はウルトラライトなギアも多く取り扱ってバイクパッキング(BP)とも好相性。BP用のアイテムいろいろ紹介してもらったのだけれど、今までの常識がかるく覆るレベル。ULは奥が深いなあ・・・

M氏もBP用にシュラフとマットを探してるという話をオーナーさんにしたらオススメのアイテムを出してくれて、これがまた凄い軽い。さらに寝てみていいよー、という事だったので、寝袋にもぐりこむM氏。 この時点で嫌な予感はあった。

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M氏いわく寝心地はいいみたい。
いいですね〜欲しいな〜って言いながらシュラフから出てきてたら急にM氏が「やべっ!」っていって背中をガサゴソ。

bread_act_20176 べっこり潰れてましたフランスパン。嵩が半分くらいになっちゃいました。えーそこ気づかないところ?ってその場にいた誰もが思ったはずで、こらえきれずに爆笑してしまう私と苦笑するオーナーさん。

さいごは岩山へ

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ちょっと走り足りないからってことで岩山へGO。途中、粘着質な雨雲に捕まって雨が降ったり止んだりで、なんだかな〜いう天気だったけれど展望台についた時は晴れ間がのぞきこんだ。
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M氏神々しいver

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一軒目のKITA COFFEE STANDで補給食という名目で買い込んだグラノーラをほおばる。この場所で食べればなんでも絶景補正で美味しいとは思うんだけど、市販のとは段違いのうまさ。牛乳かけないでも美味しく食べれるグラノーラなんて聞いたこと無いがな。

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450円もするし市販のものに比べれば量も少ないけど、原材料のコストと労力を考えればぜんぜん高いとは思わない。隠れた一品見つけちゃったという高揚感とほどよい疲労感と最高の景色とで心と体はすごく幸せ。

これで明日もがんばれる。明日もがんばれる。明日もがんばれる。お決まりの呪文を3回となえて帰路につく。

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